カーシェア利用時に準備すべき最適なチャイルドシートはどれか?
現在の道路交通法によると、6歳未満の子供を乗せて車を運転する際には、チャイルドシートの装着が義務づけられていますが、カーシェアの車には簡易なジュニアシートしか標準で装備されていないため、会員が自分自身で用意する必要があります。
そこで今回は、どのようなチャイルドシートがカーシェアでの使用に適しているかを具体例を挙げて検討したいとおもいます。
チャイルドシートの必要性とカーシェア各社への苦言
現時点において、カーシェア各社の幼児に対する安全意識は非常に低いと言わざるをえません。
カーシェア大手3社においては、簡易なジュニアシートを標準装備しているだけであり、チャイルドシートについては会員にお任せ状態です。(カレコは一部車両のみチャイルドシートを装備しています。)
ジュニアシートとは、おしりの下に敷いて幼児の座高を上げることで、大人用の3点式シートベルトをそのまま使えるようにするアイテムです。対象となる幼児は、体重約15kg以上で、年齢的には4歳~10歳ぐらいになります。
つまり、0歳~3歳までの小さなお子さんを持つ会員の方は、下のような準備が必要になります。
- 自分でチャイルドシートを購入する
- 自宅から車両まで持参する
- 車両に取り付ける
- 使用後は車両から取り外す
- 車両に置いておくことはできないので、自宅まで持ち帰る
これらの準備が非常に大変な作業であるということは、誰にでも容易に想像できるのではないでしょうか。
「みんなで車を使う」というカーシェアの性質上、毎回チャイルドシートを取り付けたり取り外したりするのは致し方ない面もありますが、自宅から車両までの持ち運びは辛いものがあります。もしトランクにチャイルドシートを用意しておいてくれれば、子供を持つご両親はどんなに楽でしょうか。
さらに言わせてもらうと、ジュニアシートには幼児の側面まで保護するしっかりとした作りのモノもあるのですが、カーシェア車両に標準で装備されているジュニアシートは、座席に乗せるだけの非常に簡素なモノとなっています。
子供の安全を確保するためのチャイルドシートの必要性はもはや世間一般の常識です。
たとえ道路交通法の定めがなかったとしても、子供の安全を考えると、ほとんどの親御さんがチャイルドシートを装着するのではないでしょうか。
私もそうだったのですが、小さな子供がいると電車やバスで移動するのが大変なので、車が使えると本当に便利なんですよね。こういう家庭こそカーシェア事業のメインターゲットになる存在だと思うのですが、なぜ上記のように安全面を軽視しているのか理解に苦しみます。
カーシェアの車両に向いているチャイルドシートの要件
さて、それでは小さなお子さんのいらっしゃるカーシェア会員が購入すべきチャイルドシートはどのようなモノでしょうか。
1.十分な安全性が確保されている
まずはこれが必須条件になると思います。国内大手メーカー(コンビ・タカタ・日本育児など)や欧米大手メーカー(マキシコシ・レーマー・グレコなど)の製品であれば、優劣はありますが基本的な安全性は確保されています。
一方で、名前も聞いたことのない中国産の激安チャイルドシートなどは購入を控えた方がよいでしょう。
2.取り付け&取り外しが容易
マイカーであればチャイルドシートを1度設置したら、そのまま付けっぱなしにしておくのが普通ですが、カーシェアでは車両を使用するたびに取り付け作業と取り外し作業が必要になります。そのため、出来るだけ簡単にこれらの作業が出来るものが良いです。
3.持ち運びが容易
自宅からチャイルドシートの持ち運びが必要になるので、コンパクトに折りたためたり軽量であったりするような、持ち運びが簡単なものが良いです。
これら3つの要素には相反する面もあるので、これらのバランスを上手にとっている製品が良い製品と言えるでしょう。
最適なチャイルドシートは年齢・体格によって異なる
チャイルドシートには年齢や体格によっておおまかに3種類のタイプに分かれます。
- 乳児用・・・体重10kg未満、身長70cm以下、新生児~1歳くらいまで。
- 幼児用・・・体重9~18kg、身長65~100cm、1歳~4歳くらいまで。
- 学童用・・・15~36kg、身長135cm以上、4歳~10歳くらいまで。
そしてさらに、乳児・幼児兼用、幼児・学童兼用、乳児~学童兼用のように、体格差を超えて使用できるタイプも多々あり、日本では比較的このようなタイプが売れ筋です。
カーシェア車両に標準で装備されているジュニアシートは「学童用」のタイプになりますので、お子さんが学童以上の年齢・体格になれば、このジュニアシートを使えるようになります。
そのため、それより下の期間は、乳児・幼児兼用のチャイルドシート1つで済ますことも可能です。
しかしながら、乳児時期と幼児時期のそれぞれ専用のチャイルドシートを用意する方が良いというのが私の結論です。
それは以下の理由からです。
1.専用モデルの方がシンプルな構造で、軽量且つ運搬性に優れる
兼用モデルでは、長期間における幼児の成長をカバーするために、必要以上にサイズ・重量が大きくなり、構造も複雑になります。
付けっぱなしのマイカーであれば、この点はあまり問題になりませんが、持ち運び&取り付けが前提のカーシェアにおいては、このようなチャイルドシートは不向きになります。
特に乳児時期においては、兼用チャイルドシートではなく後述のベビーシートを使った方が、はるかに持ち運びが便利です。
2.専用のチャイルドシートの方が安全性が高い傾向がある
乳児・幼児兼用のチャイルドシートでは、生まれて間もない体重3kgの赤ちゃんと、骨格がしっかりして自由に走り回る体重18kgまでの幼児を、1つのチャイルドシートでカバーします。
でも、これって素人考えでもちょっと無理のあることだと思います。チャイルドシート先進国の欧米においては、安全性を確保するために子供の体格に合った商品を使用するのが普通です。
それでは上のような条件をクリアする具体的な商品はどのようなものでしょうか。
乳児用(0~1歳)チャイルドシートのおすすめ
乳児用のチャイルドシートは、いわゆる「ベビーシート」と呼ばれ、進行方向に対して後ろ向きに赤ちゃんを寝かせるような形になります。
ベビーシートにシートベルトをグルッと巻き付けるような形で固定するので、普通のチャイルドシートの固定方法よりもはるかに簡単です。慣れれば30秒くらいで固定できます。
さらに、ベビーシートなら「赤ちゃんをベビーシートごと持ち運べる」ことが出来ます。赤ちゃんが寝てしまっても、起こさずにベビーシートごと家まで移動出来るので、非常に重宝しますよ。
さて、このようなベビーシートですが、日本系のメーカーと欧米系のメーカーによってサイズが異なります。日本系のメーカーでは体重10kgまでしか対応していないのに対して、欧米系メーカーではサイズが一回り大きく作られており、体重13kgまで対応できます。
対応体重が10kgだと、大きい赤ちゃんの場合は半年程度で使用出来なくなってしまいますので注意して下さい。安全面と運搬性を考慮すると、出来るだけ長期間ベビーシートが使用出来る欧米系メーカーの商品が望ましいです。
数あるベーシートの中で私のイチ押しは、マキシコシの「ペブル」という商品です。
マキシコシはオランダにある世界的なチャイルドシートのトップメーカーであり、その信頼性は折り紙つきです。作りもしっかりしていて、デザインも秀逸。他の大手欧米メーカーに比べて値段も安いので、手を出しやすいのも魅力です。
ただ、このベビーシート自体の重さが5kgあるので、その中に赤ちゃんを乗せてステーションまで移動するのは大変にも思えますよね・・・
このベビーシートの最大の特徴は、ベビーシート自体を特定のベビーカーに取り付けて使用出来るのです!(ベビートラベルシステム)
つまり、
車両までの移動時 ⇒ ベビーカーとして赤ちゃんを乗せて楽々移動
車を利用する時 ⇒ ベビーカーからベビーシートを分離。ベビーカー部分はトランクへ収納。
と、いった利用方法が可能なのです。非常にスマートじゃないですか?ショッピングモールに行った時などの外出先でも、同じようにベビーシートのまま子供を連れていくことが出来ますよ。
対応するベビーカーは色々ありますが、有名どころは下のようなモノです。
- エアバギー
- クイニーザップ
- マキシコシミラ
- マイクラライト
もちろん、これらのベビーカーは赤ちゃんが大きくなってからも、3歳頃までは引き続き使用できます。
我が家では、今後二人目が出来たら、このマキシコシ&エアバギーを購入することを決めています。もっと早くこの商品に出会っていれば・・・ほんとうにいい商品だと思います。
幼児用(1~4歳)チャイルドシートのおすすめ
乳児用のベビートラベルシステムのような便利な商品が、残念ながら幼児用チャイルドシートにはありません。そのため、ある程度の安全性を確保しつつ、軽量でコンパクトなチャイルドシートを選択する必要があります。
私のオススメは「コンビ ジョイトリップ エッグショック GC」 になります。しっかりと事故の衝撃から守れる材質・機構を維持して、軽量コンパクトに作られた商品です。さすがに、マキシコシのようにオシャレに持ち運びは出来ませんが、この世代用のチャイルドシートの中では、ぶっちぎりの性能だと思います。
日本育児から発売されている「トラベルベストECプラス」という商品もあります。幼児用チャイルドシートの中では、かなり携帯性に特化された商品です。
上記の商品よりも安全性はかなり劣りますが、それでも最低限の安全性は確保されていますので、「出来るだけチャイルドシートの持ち運びが楽なモノがよい」という方に良い商品だと思います。
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